最大震度7を観測した能登半島地震。
新たな年となり、今年もいい年になりますようにと初詣に出かけた人々や、久しぶりに再会した友人や家族との楽しい時間にマグニチュード7.6の大きな地震が発生したことは皆さんの記憶にも新しいと思います。
自然災害の多い日本では、防災性の高い住宅が求められ、特に、地震が頻繁に発生する日本では、地震に強い住宅が重要視されます。一戸建て住宅を建築・購入する際に、防災性に優れた物件を選ぶことは、自分と家族の命を守るためにも必要なことです。ここでは、地震にも耐える防災性に優れた一戸建て住宅の特徴を紹介します。
1. 建物の構造
地震に強い建物の構造には、耐震壁や鉄骨造、制振装置などがあります。
◆耐震壁…その名の通り、地震の横揺れに耐えうる壁。開口部などはほぼなく、梁や柱などの頑丈な骨組みにねじや金具で固定されている。
◆鉄骨造(S造)…梁や柱などの骨格に鉄骨を使用している住宅。
◆制振装置…建物の地震に被害を抑えるために、壁や柱などの接合部に設置する装置。制振ダンパーとういう。
上記のような構造が備わった建物は、地震による揺れに対して強い抵抗力を発揮します。
2. 窓やドアの性能
首都圏直下型地震や南海トラフ巨大地震などの発生時における激しい縦揺れによる家屋の倒壊や火災、巨大地震による津波の襲来。これらの地震災害に巻き込まれないためにも地震発生後の早急な避難が重要です。しかし巨大地震の場合、発生した激しい揺れで変形した玄関ドアが避難の妨げとなるり閉じ込められてしまう危険性があります。地震の発生時、窓やドアが割れたり開いたりすると、建物内に風や火災が入り込み、被害が拡大する恐も。そこで、地震に強い窓やドアを検討してみるのも対策のひとつです。
◇窓◇
ガラスの地震対策を検討する場合、最も有効なガラスは合わせガラス。続いて網入りガラスです。強化ガラスも割れた時に破片が粉々になるため、普通のガラスより大けがをするリスクが少なく安全です。しかし、割れた時に飛び散ったりすることはありますので、飛散防止フィルムなどを張っておくとより安全です。
◇玄関ドア◇
玄関ドアは非常口として確保しておきたいのですが、突然の地震などで対応が難しいことがほとんどではないでしょうか。ドアの変形、鍵の変形、閉じ込め、再施錠できないなど。そのような被害にも対応できる玄関ドア『たすかるドア』。たすかるドアは扉の中にもう1枚避難扉がある玄関ドアです。扉がゆがんでも避難扉から避難可能で、避難後も再施錠でき火事場泥棒からも家を守ります。また、避難扉は通常時換気窓として使用できるので、ウィルス対策にもなります。
ドア自体を耐震性に変えるとなると費用が掛かるのも事実です。出来るだけ費用を抑え、地震対策をしたい方には玄関ドアの枠と扉をつなぐ丁番を耐震性の金具に変えるだけでも地震対策となります。皆さんも試してみてはいかがでしょうか?
3. 耐震基準に合致しているか
日本では、耐震基準が設けられており、建築物はその基準に基づいて設計されています。住宅を建築・購入する際には、耐震基準に合致しているかどうかを確認することが大切です。耐震基準は大きな震災が起こるたびに改正されており、新たな住宅を建てる際には現行の耐震基準を満たすことが必要となります。建物が倒壊しないような基準、人命を守ることに重きを置いた基準などアップデートされています。
1995年の阪神淡路大震災によって多くの木造住宅が倒壊、半壊したことをきっかけに、2000年の改正では新耐震基準(1981年改正)の弱点を強化し、木造住宅ををメインターゲットとして【2000年基準】が設けられました。(新・新耐震基準ともいう)
【2000年基準】では、地盤調査の規定の充実、地耐力に応じた基礎構造、接合金物の使用の規定等を示しました。
2024年現在、アップデートされた耐震基準に満たない建物はまだ多く存在しています。先日の能登半島地震の被害状況を見て実感された方も多いのではないでしょうか。自分の身近にも家族が古い家に住み続けていたり、旧耐震の建物を相続したりと色々なケースがあると思います。解体や売却の予定がなく住み続けるのであれば、耐震工事は施しておくのが良いでしょう。
4. 緊急時の備え
地震発生時には、緊急時の備えが必要です。防災グッズや緊急用電源などが備わっていると、安心して過ごすことができます。防災バッグを家族の人数分用意しておくのも良いでしょう。リュックサックなどで用意しておくと非難する際に両手がふさがることもなく、小さなお子様からお年寄りまで避難しやすくなるのではないでしょうか。今後、家の建築や購入を検討されている方は、家の一角に備蓄庫のようなスペースを確保しておくのも良いでしょう。
5. 地域の地震情報に対応
地震発生時には、速やかに避難することが大切です。各自治体ハザードマップがあることはご存じの方も多いと思います。
ハザードマップとは自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを示した地図です。現在ほとんどの自治体でハザードマップは用意されていると思いますので、お住まいの自治体のハザードマップで避難所や避難経路を確認しておきましょう。
5つのよくある質問
Q1. 一戸建て住宅の中でも、地震に強い構造の物件はどのようなものがありますか?
A1. 耐震壁や鉄骨造、制振装置などが採用されている物件が地震に強い構造の住宅です。
Q2. 耐震基準に合致しているかどうかを確認する方法はありますか?
A2. 建築主管部局に問い合わせることで、耐震基準に合致しているかどうかを確認することができます。
Q3. 防災グッズや緊急用電源などが備わっている住宅は、どのような物件がありますか?
A3. 防災性に優れた一戸建て住宅には、備蓄庫や非常用電源などが備わっている物件があります。
Q4. 一戸建て住宅の購入価格は、地震に強い住宅とそうでない住宅ではどのように違いますか?
A4. 一般的には、地震に強い住宅は、建築費用が高くなるため、購入価格も高くなります。
Q5. 地震に強い一戸建て住宅を購入した場合、何か注意点はありますか?
A5. 地震に強い住宅は、建物の構造や性能が良いため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。また、地震発生時には、速やかに避難することが大切です。