日本は地震大国であり、家づくりにおいて耐震性は重要なポイントです。特に、子供がいる家庭では、万が一の災害に備えて、より耐震性の高い家を建てたいと考えている方も多いでしょう。
木造と鉄骨造は、どちらも日本の住宅によく使われる構造ですが、耐震性や耐久性にはそれぞれ特徴があります。この記事では、木造と鉄骨造の耐震性や耐久性を比較しながら、どちらがあなたに向いているかを解説します。
■木造と鉄骨造の特徴と違い
木造と鉄骨造は、どちらも日本の住宅によく使われる構造ですが、それぞれに特徴があります。
木造の特徴は、「木材は地震の揺れを吸収しやすい」「施工が容易で、コストを抑えられる」「温かみのある雰囲気がある」といった特徴があります。
一方で鉄骨造の特徴は「強度が高く、耐震性が高い」「耐久性が高い」「メンテナンスが容易」があります。
・地震に強い家とは??
地震に強い家とは、地震の揺れに耐え、倒壊や損傷を最小限に抑えられる家です。
構造躯体の耐震性を確保されており、地震による火災のリスクを低減する住宅を指します。また、緊急時にライフラインの確保を図ることの出来ることも必要になります。
■ 木造の耐震性
木造は、地震の揺れを吸収しやすいという特徴があります。これは、木材には弾性があり、曲がることでエネルギーを吸収する性質があるためです。そのため、木造の家は、鉄骨造の家と比べて、倒壊するリスクが低いと言われています。
・木造のメリット
木造のメリットとして特徴で触れたように、「地震の揺れを吸収しやすい」「施工が容易で、コストを抑えられる」「温かみのある雰囲気がある」といったものがあります。
木造は、地震の揺れを吸収しやすいという特徴があるため、地震に強い家を建てたい場合に適しています。また、施工が容易で、コストを抑えられるというメリットもあります。さらに、木材の温かみのある雰囲気が好きな方にもおすすめです。
・木造のデメリット
一方で以下のようなデメリットも存在します。
「強度が鉄骨造造に比べて劣る」「耐久性が鉄骨造造に比べて劣ってしまう」「定期的なメンテナンスが必要」といったっものがあります。
鉄骨造に比べて強度や耐久性が劣るため、長期間使用するにはメンテナンスが必要です。また、木材は湿度や温度の影響を受けやすいため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
・木造の耐震性向上対策
木造の耐震性を向上させるためには、以下の対策が有効です。
・耐震等級の高い構造を採用する
耐震等級とは、地震の揺れに耐える性能を表すものです。耐震等級は、1から3までの3段階に分かれており、数値が大きいほど高い耐震性能を有しています。
・柱や梁の太さや間隔を広げる
柱や梁の太さや間隔を広げることで、構造躯体の強度を高めることができます。
・耐震補強工事を行う
耐震補強工事とは、既存の建物の耐震性を向上させるための工事です。柱や梁を補強したり、接合部に金物を取り付けたりするなどの方法があります。
■鉄骨造の耐震性
鉄骨造は、地震の揺れに耐える強度に優れています。これは、鉄骨造が木材に比べて強度が高く、曲がりにくいという性質があるためです。そのため、鉄骨造造の家は、木造の家と比べて、倒壊や損傷のリスクが低いと言われています。
鉄骨造の耐震性は、「構造躯体の強度」「接合部の強度」「基礎の強度」の3つの要素によって決まります。
・構造躯体の強度
鉄骨造の構造躯体は、柱と梁で構成されています。柱や梁の太さや間隔が広ければ、構造躯体の強度が高まり、地震の揺れに耐える力が強くなります。
鉄骨造は、木材に比べて強度が高く、曲がりにくいという性質があります。そのため、鉄骨造造の家は、木造の家と比べて、柱や梁の太さや間隔を狭くしても、十分な強度を確保することができます。
ただし、柱や梁の太さや間隔を狭くすると、構造躯体の重量が軽くなり、地震の揺れに揺れやすくなるというデメリットもあります。そのため、構造躯体の強度を確保しつつ、揺れに揺れにくい構造を実現するためには、バランスの良い設計が重要です。
・柱や梁の接合部の強度
柱と梁は、溶接やボルトなどで接合されています。この接合部の強度が弱いと、地震の揺れで接合部が破損し、構造躯体が崩壊する可能性があります。
柱と梁の接合部は、地震の揺れによって最も負荷がかかる部分です。そのため、接合部の強度を確保することは、鉄骨造の耐震性において重要なポイントです。
接合部の強度を高めるためには、溶接やボルトなどの接合方法を工夫したり、接合部に補強材を取り付けたりすることが有効です。
・免震・制震装置の有無
免震・制震装置とは、地震の揺れを吸収したり、揺れの伝達を抑えたりするための装置です。免震・制震装置を設置することで、構造躯体の負荷を軽減し、耐震性を高めることができます。
免震・制震装置は、地震の揺れを吸収したり、揺れの伝達を抑えたりするための装置です。免震・制震装置を設置することで、構造躯体の負荷を軽減し、耐震性を高めることができます。
免震・制震装置には、以下の2つの種類があります。
免震装置
免震装置は、地震の揺れを吸収する装置です。地震の揺れが起きると、免震装置が地震エネルギーを吸収し、構造躯体に伝達する揺れを低減します。
制震装置
制震装置は、地震の揺れの伝達を抑える装置です。地震の揺れが起きると、制震装置が地震エネルギーを消耗させ、構造躯体に伝達する揺れを抑制します。
免震・制震装置は、鉄骨造の耐震性を大幅に向上させることができます。しかし、免震・制震装置は高価なため、コストを抑えたい場合は、設置を検討する必要があります。
・鉄骨造造のメリット
鉄骨造のメリットは、以下のとおりです。
強度が高く、耐震性が高い
耐久性が高い
メンテナンスが不要
鉄骨造は、強度が高く、耐震性が高いというメリットがあります。そのため、地震に強い家を建てたい場合に適しています。また、耐久性が高いため、長期間使用しても劣化しにくいというメリットもあります。さらに、メンテナンスが不要なため、ランニングコストを抑えることができます。
・鉄骨造のデメリット
鉄骨造のデメリットは、以下のとおりです。
施工が困難で、コストがかかる
温かみのある雰囲気がない
鉄骨造は、木造に比べて施工が困難で、コストがかかるというデメリットがあります。また、木材の温かみのある雰囲気がないというデメリットもあります。
・鉄骨造の耐震性向上対策
耐震性を高めるためには、以下の対策が有効です。
耐震等級の高い構造を採用する
耐震等級の高い構造を採用することで、地震の揺れに耐える強度を高めることができます。
柱や梁の太さや間隔を広げる
柱や梁の太さや間隔を広げることで、構造躯体の強度を高めることができます。
耐震補強工事を行う
既存の建物に耐震性を向上させるための工事を行うことで、耐震性を高めることができます。
■耐震性比較
木造と鉄骨造の耐震性を比較すると、以下のようになります。
・地震に対する強さ
木造は、地震の揺れを吸収しやすいという特徴があります。これは、木材には弾性があり、曲がることでエネルギーを吸収する性質があるためです。そのため、木造の家は、鉄骨造の家と比べて、倒壊するリスクが低いと言われています。
一方、鉄骨造は、地震の揺れに耐える強度に優れています。これは、鉄骨造が木材に比べて強度が高く、曲がりにくいという性質があるためです。そのため、鉄骨造の家は、木造の家と比べて、揺れによる損傷のリスクが低いと言われています。
・揺れによる被害の軽減
木造は、地震の揺れを吸収しやすいという特徴があるため、揺れによる被害が大きいというデメリットがあります。地震の揺れで家が倒壊することは少ないですが、揺れによって家屋が傾いたり、窓や壁が破損したりするなどの被害を受ける可能性があります。
一方、鉄骨造は、地震の揺れに耐える強度に優れているため、揺れによる被害が小さいというメリットがあります。地震の揺れで家が倒壊することは極めてまれですが、揺れによって家屋が傾いたり、窓や壁が破損したりするなどの被害を受ける可能性は、木造に比べて低くなります。
・耐震性能の維持性
木造は、木材が湿度や温度の影響を受けやすいため、メンテナンスにより耐震性能を維持する必要があります。柱や梁の腐食やシロアリ被害を防ぐために、定期的に塗装や防虫処理を行う必要があります。
一方、鉄骨造は、木材に比べて湿度や温度の影響を受けにくいため、メンテナンスによる耐震性能の維持が不要というメリットがあります。ただし、経年劣化によって柱や梁の強度が低下する可能性があるため、定期的に点検を行う必要があります。
■ 耐久性比較
木造と鉄骨造の耐久性を比較すると以下の通りです。
・耐久年数
木造の耐久年数は、約60年程度と言われています。これは、木材が腐食やシロアリ被害を受けやすいためです。そのため、木造の家を建てる場合は、定期的にメンテナンスをして、耐久性を維持する必要があります。
一方、鉄骨造の耐久年数は、約100年程度と言われています。これは、鉄骨造が腐食やシロアリ被害を受けにくいためです。そのため、鉄骨造の家を建てる場合は、メンテナンスをする必要がほとんどありません。
・メンテナンス性
木造の家は、定期的にメンテナンスを行う必要があります。メンテナンスの内容は、以下の通りです。
塗装:木材の腐食やシロアリ被害を防ぐために、定期的に塗装を行う必要があります。
防虫処理:木材のシロアリ被害を防ぐために、定期的に防虫処理を行う必要があります。
一方、鉄骨造の家は、メンテナンスをする必要がほとんどありません。ただし、経年劣化によって柱や梁の強度が低下する可能性があるため、定期的に点検を行う必要があります。
■まとめ
ここまで、木造と鉄骨造の耐久性やメンテナンス性について比較してきました。
耐久性においては、木造は約60年程度、鉄骨造は約100年程度と言われています。メンテナンス性においては、木造は定期的にメンテナンスをする必要がある一方、鉄骨造はメンテナンスの必要がほとんどありません。
耐久性とメンテナンス性を重視するなら、鉄骨造がおすすめです。鉄骨造の家は、長く住み続けることができ、メンテナンスの手間も省くことができます。
一方、コストを抑えたい場合や、木の温かみのある雰囲気が好きなら、木造がおすすめです。木造の家は、コストが安く、施工が容易で、木材の温かみのある雰囲気を楽しむことができます。
もちろん、耐久性やメンテナンス性だけが、家づくりの判断基準ではありません。家族構成やライフスタイル、好みなど、さまざまな要素を考慮して、自分に合った構造を選ぶことが大切です。