鉄骨住宅は、その高い強度と自由度の高い設計で人気を集めています。しかし、一方で「エアコンが効きにくい」という声も聞かれます。
本記事では、鉄骨住宅におけるエアコンの効きにくさの原因と、快適な暮らしを実現するための方法を詳しく解説します。
断熱材の選び方、窓ガラスの種類、エアコンの適切な機種選定など、鉄骨住宅でエアコンを効率的に使用するためのポイントを余すことなくお伝えします。
《目次》
・鉄骨住宅とエアコンの意外な関係
・鉄骨住宅におけるエアコンの効きにくさの原因
・鉄骨住宅で快適な暮らしを実現する方法
・エアコン選びのポイント:鉄骨住宅に最適な機種とは?
・その他の快適な暮らしのためのヒント
・まとめ
■鉄骨住宅とエアコンの意外な関係
鉄骨は熱伝導率が高いため、夏は外気からの熱を、冬は室内の熱を外に逃がしやすくなっています。そのため、エアコンで室温を調整しても、すぐに外気の影響を受けて室温が変化してしまうのです。
しかし、鉄骨住宅だからといって、エアコンが効きにくい家は必ずしも悪い家ではありません。
■鉄骨住宅におけるエアコンの効きにくさの原因
鉄骨住宅ではエアコンが効きにくい理由は、主に以下の3つが挙げられます。
熱橋による熱損失
夏場の強烈な日射取得
冬場の輻射冷暖房
これらの要因が複合的に作用することで、鉄骨住宅ではエアコンが効きにくいという課題が生じるのです。
・熱橋による熱損失
熱橋とは、熱伝導率の高い素材が建物の断熱層を貫通している箇所を指します。**鉄骨住宅では、柱や梁などの構造体部分に鉄骨を使用しているため、熱橋が発生しやすい構造となっています。
鉄骨は熱伝導率が高いため、熱橋があると外気からの熱が室内に侵入しやすくなり、室温を調整しにくくなります。
特に、以下の部位は熱橋が発生しやすい箇所として注意が必要です。
柱と梁の接合部
窓枠と壁の接合部
外壁と屋根の接合部
これらの部位には、適切な断熱材を用いて熱橋を防ぐ対策が必要です。
・夏場の強烈な日射取得
夏の日射は、鉄骨住宅にとって大きな課題となります。**鉄骨は熱を吸収しやすいため、日射を受けた部分は室内温度が上がりやすくなります。
特に、屋根や外壁は日射の影響を受けやすく、室温上昇の原因となります。
日射取得による室温上昇を抑えるためには、以下の対策が有効です。
軒を深くする
遮光カーテンやブラインドを設置する
外壁に遮熱塗料を使用する
これらの対策により、室内への日射量を減らし、室温上昇を抑えることができます。
・冬場の輻射冷暖房
冬場は、室内の熱が窓ガラスや壁などを通して外に逃げてしまう「輻射冷暖房」が起こりやすくなります。**鉄骨は熱伝導率が高いため、輻射冷暖房の影響を受けやすく、室温が下がりやすくなります。
輻射冷暖房による熱損失を抑えるためには、以下の対策が有効です。
Low-Eガラスや遮熱ガラスを使用する
壁や天井に高性能な断熱材を使用する
これらの対策により、室内の熱を逃がさずに暖かく保つことができます。
■鉄骨住宅で快適な暮らしを実現する方法
鉄骨住宅でエアコンを効率的に使用し、快適な暮らしを実現するための具体的な方法を詳しく解説します。
・断熱材の種類と選び方
鉄骨住宅でエアコンの効きにくさを解消する上で、最も重要なポイントは断熱材です。
断熱材は、熱伝導率が低い素材で作られており、外気からの熱の侵入を防ぎます。
断熱材には、さまざまな種類があり、それぞれ性能や価格が異なります。
断熱材を選ぶ際には、以下のポイントを考慮する必要があります。
熱伝導率:熱伝導率が低いほど、断熱性能が高い
施工方法:現場施工型と工場生産型がある
耐久性:長持ちする素材を選ぶ
価格:予算に合ったものを選ぶ
代表的な断熱材の種類とその特徴は以下の通りです。
グラスウール:比較的安価で施工性に優れている
ロックウール:耐火性に優れている
セルロースファイバー:環境負荷が低い
ポリイソシアヌレート:高性能だが、価格が高い
・ 窓ガラスの種類と選び方
窓ガラスも、室温に大きな影響を与えます。
単板ガラスは熱伝導率が高いため、外気の影響を受けやすく、室温が上がりやすくなります。
そのため、Low-Eガラスや遮熱ガラスなど、熱損失を抑える効果のあるガラスを選ぶことが重要です。
Low-Eガラス:Low-E膜と呼ばれる特殊な膜をコーティングすることで、熱放射を抑制する
遮熱ガラス:熱線反射コーティングや着色などにより、日射を遮断する
Low-Eガラスと遮熱ガラスは、それぞれ異なる特徴を持っているため、
夏場の暑さ対策には遮熱ガラス
冬場の寒さ対策にはLow-Eガラス
といったように、季節や地域の気候に合わせて選ぶことがおすすめです。
・ 気密性の重要性と向上方法
気密性とは、建物の隙間を塞ぎ、外気の出入りを防ぐ性能のことです。
気密性が高いほど、室内の空調効率が向上し、エアコンの効きが良くなります。
鉄骨住宅は、木造住宅に比べて気密性が低い傾向があります。
そのため、以下の方法で気密性を向上させることが重要です。
シーリング材やパッキンを用いて、窓やドアの隙間を塞ぐ
壁や床の隙間を塞ぐ
気密測定を行い、気密性を確認する
気密性を向上させることで、エアコンの効きが良くなり、電気代を節約することができます。
■鉄骨住宅に最適なエアコンの機種とは?
鉄骨住宅に最適なエアコンの機種を選ぶ際のポイントを、能力、機能、設置場所という3つの観点から詳しく解説します。
能力:必要な冷暖房能力を計算する
エアコンの能力は、冷暖房能力と消費電力で表示されます。
冷暖房能力は、部屋の広さに応じて適切なものを選ぶ必要があります。
部屋の広さに合わない能力のエアコンを選んでしまうと、以下のような問題が発生します。
部屋が冷暖房できない
電気代が高くなる
部屋の冷暖房能力を計算するには、以下の式を用います。
冷房能力:畳数 × 600W + 2,000W
暖房能力:畳数 × 400W + 2,000W
ただし、これはあくまで目安です。
日射量
断熱材の種類
気密性
といった要素も考慮する必要があります。
詳しくは、家電量販店やエアコンメーカーに相談することをおすすめします。
機能:快適な暮らしに役立つ機能
エアコンには、冷暖房以外のさまざまな機能が搭載されています。
快適な暮らしを実現するためには、これらの機能を活用することが重要です。
代表的な機能とその効果は以下の通りです。
自動運転:室温や湿度を感知して、自動的に運転モードを切り替える
人感センサー:人の動きを感知して、風向や風量を自動的に調整する
空気清浄機能:室内の空気を清浄する
除湿機能:室内の湿度を下げる
これらの機能は、ライフスタイルやニーズに合わせて選ぶようにしましょう。
・設置場所:吹き出し口の向きと冷暖房効率
エアコンの設置場所は、冷暖房効率に大きく影響します。
吹き出し口の向きを考慮して、効率的に冷暖房できる場所に設置することが重要です。
冷房の場合
吹き出し口は、天井に向かって設置する
冷風が部屋全体に回るように、家具などで塞がない
暖房の場合
吹き出し口は、床に向かって設置する
暖風が足元から立ち上るように、家具などで塞がない
また、以下のような点にも注意しましょう。
室外機の設置場所:日射や風雨の影響を受けにくい場所を選ぶ
配管の長さ:配管が長くなると、冷暖房効率が低下する
■まとめ
鉄骨住宅は、高い強度と自由度の高い設計で人気を集めていますが、一方で「エアコンが効きにくい」という声も聞かれます。
しかし、適切な対策を講じることで、鉄骨住宅でも快適な暮らしを実現することは可能です。
この記事で紹介した方法を参考に、鉄骨住宅での快適な暮らしを実現しましょう。
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